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006 : 十字傷

天国に行きたいかい。

そうして私は足首を掴まれて窓から空を飛んだ。

骨はすぐくっついたけど、幸か不幸か私の中にあったやっかいなできものが見つかって、小児外科棟から天国に1番近いこの棟にやってきた。

主治医以外、めったにこの部屋にはこない。私を空に投げ出したお母さんも来ない。

でも小児外科のあの先生だけは、毎日必ず来る。看護師さんと一緒に。

「こんにちは〜」

「お前、ひとへやずつ挨拶すんのやめろよ、時間かかんだろ」

「いーじゃない、へるもんじゃないし」

廊下で喧嘩するの、やめてくれないかな…。

今日はどんな楽しい話をしようかな。にやける顔を押さえながら、私はまだ乗り慣れない車椅子を蹴ってドアに急いだ。


2009年1月28日

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