dependence. > 先生! > ●キスのシチュエーションで20題(その1、2)より-長い、終わらない、甘いキス(短大)

●キスのシチュエーションで20題(その1、2)より

長い、終わらない、甘いキス(短大)

 一人、先生の部屋で帰りを待っていると、なにかがドアにぶつかる音がして、私は息を潜めて玄関を見た。

「せん……せんせ、い……?」

 やっとという風にこじ開けられたドアの隙間から、先生の靴が見える。

「先生! どうしたの?」

 先生は重たそうな身体を少しの隙間から滑り込ませて、靴も脱がずに私に抱きついてきた。脱力した身体は重たくてそのままずるずると座ると、ちょうど先生の頭が膝に納まる。

「疲れた……」

 私の膝に顔をうずめたまま、先生はくぐもった声で呟いた。

「お……お疲れさま」
「今日よー、会議ぶっ続けで、その後試験問題作ったからなんまら疲れた」
「大変だねぇ」
「たまに仕事するとこんだけ疲れるんだな」
「あはは」

 髪の毛を撫でながら相槌を打っていると、先生は身体をもぞもぞと動かして天井を向き、私の頭に手を伸ばしてきた。導かれるまま顔を近づけると、髪の毛をぎゅっと握られて唇をふさがれる。その柔らかさにうっとりしたまま唇を離そうとすると、唇の開いたところからためらいがちに舌が入り込んできて、私の縮こまった舌を優しく弄っては角度を変えて更に深く進入される。あくまで穏やかなその感覚に身体がふわりと浮くような心地がして、軽いめまいを覚えながら、私はしばらく先生に心までも預けていた。

2010年6月20日

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